ピンバッジデザインを作成する際には、製造方法に合わせた線の太さや色入れ、メッキラインなど、いくつかの重要なポイントがあります。

ピンバッジデザインで失敗しないための重要ポイント
ピンバッジの製作には、金属の型打ちや緻密な色入れなどの工程があります。これらは、職人の繊細な技術によって行われます。
画面上(パソコンやスマホ)では綺麗に見えるデザインでも、実物の小さなピンバッジでは問題が起こる場合があります。例えば、「線が細すぎて潰れてしまう」「色が狭すぎて入らない」といったケースです。
皆さまのこだわりが詰まった素敵なデザインを、最高のクオリティで形にするために、必ず事前にチェックしていただきたい2つの重要なポイントをご説明いたします。
デザインに適した製作方法については、「ピンバッジの工法」もあわせてご覧ください。
1.【一番大切】実際の大きさで「プリントアウト」してご確認ください
パソコンの画面では、デザインを拡大して作業することが多くなります。そのため、実物のサイズ感を忘れがちです。
必ず「原寸大(100%)」で紙に印刷してください デザインがある程度固まったら、製作予定の実際のサイズ(例:25mm×25mmなど)で一度紙にプリントアウト(印刷)し、机の上に置いてご自身の目で確認してみてください。
ここをチェック! 「文字は小さすぎて潰れて読めなくなっていませんか?」「ロゴのディテールは肉眼でもしっかりと認識できますか?」 紙に印刷した状態で視認しにくい部分は、金属のバッジにした際、より表現が難しくなります。このひと手間で、仕上がりの失敗を劇的に防ぐことができます。
2.ピンバッジデザインのトレース(製造用データ化)について
プレスピンバッジの製法上、美しく仕上げるためには金属の線の太さや色の面積に「製造基準」となる最小値があります。
メッキライン(地金線)の太さ:最低 0.2mm 〜 0.3mm 以上 色と色を区切る金属の線、あるいはデザインの輪郭線は、これ以上の太さが必要です。これより細いと、プレスの際に型に金属が流れ込まず、線が途切れたり潰れたりする原因になります。
着色(カラーフィル)エリアの幅:最低 0.4mm 以上 金属の凹(へこ)みにインクを流し込むため、色を入れるスペースには一定の広さが必要です。あまりに細すぎる隙間には、塗料の針先が入らず、色を入れることができません。
いろは貿易がデータ調整をしっかりサポートします
「自分のデザインがこの基準をクリアしているか分からない…」「細かな文字の調整方法に迷う」という場合も、どうぞご安心ください。
まずは現在のデザインデータをそのまま私どもにお見せください。ピンバッジ製作の現場を知る当社の専門スタッフが確認いたします。デザインの美しさとオリジナリティを活かしながら、製造基準(plating line幅など)を満たすためのデータ調整を行います。
皆さまと一緒に、誇れるクオリティのバッジを作れることを楽しみにしております。
ピンバッジデザインのトレース(ピンバッジ用データ化)について

いろは貿易では、お客様からいただいたロゴマークの写真、手書きのイラスト、画像データなどを基に、ピンバッジ製造の基準に合わせた【トレース作業(金型のベースとなる白黒の線画データへの描き起こし)】を当社にて行います。
トレースとは、ピンバッジの「凹凸(金属の境界線と、色を入れる部分)」をハッキリと分けるために、元のデザインの線や形を精密に描き直す非常に重要なステップです。
素敵なバッジを正確に形にするため、トレースにあたっては以下の点にご注意・ご了承いただけますようお願い申し上げます。
ピンバッジデザインのデータ作成基準と仕上がりの重要なお願い
ピンバッジの製造では、お客様からいただいたデザインデータを基に「金属の凹凸(金型)」を作り上げます。 素敵なピンバッジを理想通りの形にするため、データ作成の際には以下のテクニカルルールと製造上の特性を必ずご確認ください。
1.白黒デザインデータと凹凸(立体感)の仕組み
ピンバッジの型データは、基本的に「白」と「黒」の2色で表現されます。
黒い線(メッキライン):ピンバッジの「凸(とつ)部分」に相当します。メッキの輝きを持つ仕切り線になります。
白い部分(凹部分):ピンバッジの「凹(おう)部分」に相当します。この凹んだスペースに塗料を流し込みます。
2.メッキライン(黒い線)の太さと強度
金属の線(黒い線)が細すぎると、強度が保てず、製造過程で線が欠けたり潰れたりする原因となります。
デザイン内部の黒い線:最低でも0.2mm以上の太さを確保してください。
外周の黒い線(外形を切り抜く輪郭線):最低でも0.4mm以上の太さを確保してください。
3.色入れ(白い部分)は手作業の職人技です
白い部分(凹部分)への塗料の流し込みは、1点ずつ手作業で行われます。そのため、極端に細かいデザインには塗料を入れることができません。
【色入れ可否の直感的な目安】 原寸大(100%の大きさ)でプリントアウトした白黒デザインに対して、「極細のマジックペンで着色しようとしてもペン先が入らないほど微細な箇所」や、「マジックペンの色が黒い線まで滲んでしまうような狭い隙間」は、プレスソフトエナメルでの表現・色入れができません。設計段階で避けていただきますようお願いいたします。
【こだわりを諦めない皆さまへ】最新技術による特別な解決プラン
「どうしても細密なロゴマークを再現したい」というご要望にも対応しています。
また、手作業では難しい細かな色分けが必要な場合もございます。
そのようなデザインには、最新技術を用いた2つのオプションプラン(有償)をご用意しています。プランA:【超精密】自動色入れ機による微細着色
手作業では、極小の白い部分(凹部分)に色を入れることが難しい場合があります。
そこで、コンピューター制御されたノズルを使用します。
ノズルから正確にインクを注入し、微細な部分を着色するシステムです。メリット: 人の手の限界を超えた細かな色入れが可能になり、デザインの再現性が飛躍的に向上します。また、数千〜数万個単位の量産でもインクの量や位置が均一に仕上がります。
プランB:【極細密】金属プレートへのUVデジタル印刷
プレス(凹凸)による仕切り線を残します。
その上から、高精細なUVインクジェットプリンターでグラフィックを直接印刷します。メリット: 人の手では難しい、細かな色入れが可能になります。
そのため、デザインの再現性が大きく向上します。
また、数千〜数万個単位の量産でも、インクの量や位置を均一に仕上げることができます。
いろは貿易からのアドバイス 通常の手作業によるプレスソフトエナメルはコストパフォーマンスに優れていますが、表現が難しいデザインもございます。 ですが、「予算をかけてでも、この緻密なデザインを再現したい!」**という熱い想いをお持ちでしたら、ぜひ諦めずにご相談ください。自動色入れ機やUV印刷など、御社のこだわりを形にするための最適なプロの機材とプランをご提案させていただきます。
4.小さな文字(アルファベット等)の表現と仕上がりに関する免責事項
メッキライン(凸文字)で小さな文字を表現する場合、フォントがシンプルなアルファベットであっても、サイズによって文字が潰れるリスクが生じます。
【基準】 2mm×2mm角以下の文字は、潰れて読めなくなる可能性が非常に高くなります。
また、仕上がりにばらつき(個体差)が生じる場合があります。
これは製法上の限界によるものです。
そのため、文字が潰れて判読できない場合でも、当社では「不良品」としての作り直しや返品には対応いたしかねます。
あらかじめ十分にご理解・ご了承の上、デザインをご確定ください。【過去の事例(ご参考)】 保証は致しかねますが、過去の事例では、極めてシンプルなゴシック体などのアルファベットであれば、1.2mm×1.2mm角程度のサイズでも文字として読み取れるケースが多い傾向にあります。
【仕上がりのばらつきについて】 仮に「100個中30個はきれいに読めるが、残り70個が潰れてしまっている」という状態であっても、微細な文字は製造時のコンディションで仕上がりが左右されます。その際、「きれいにできている個体があるのだから、残りも同様に仕上げてほしい」とのお声を頂戴いたしましても、再製作による改善は難しく、当社としては「文字サイズ自体の拡大(デザイン変更)」をご案内させていただくほかございません。リスクを回避するためにも、あらかじめ余裕を持った大きな文字サイズでの設計を強く推奨いたします。
擬七宝をお選びいただく場合の注意点(メッキラインが太くなります)
最高級スタンダードである「擬七宝」には、丁寧に研磨(手磨き)する工程があります。
プレスソフトエナメルと比較して、表面を非常に強く研磨します。
そのため、金属の上面がわずかに削られて広がります。
結果として、完成時のメッキライン(黒い線)は、デザイン段階よりもやや太くなる傾向があります。
これは、独特の滑らかな質感と美しい光沢を出すために必要な仕様です。
そのため、線の太さが変わると、デザイン全体の印象に影響する場合があります。
あらかじめ線を細めに設計することをおすすめします。
また、線が太くなることを見越したデザインもご検討ください。
💡 いろは貿易からのアドバイス
「手元のデザインで、文字が読めるかギリギリで不安…」というご相談もございます。
また、「擬七宝にしたら、どれくらい線が太くなる?」というご質問もございます。このような場合は、ぜひご入稿前に一度データをお見せください。
当社の専門スタッフが、線の太さや間隔を細かくチェックします。
さらに、文字潰れを防ぐため、最適な文字サイズやデザインの微調整をご提案いたします。
プレスした断面図
プレスした時に
黒いところは凸になり
白いところは凹になります。
小さく色入れ出来ないところは、地金で表現します。
ピンバッジデザインの色の入れ方について

凹んだ部分には、手作業で塗料を入れます。
その際、黒いメッキラインが境界線となります。
このメッキラインには、色と色を分ける重要な役割があります。
そのため、各色が隣り合う場合は、必ずメッキラインで区切る必要があります。
これにより、塗料が滲みにくくなり、クリアで美しい仕上がりになります。

ピンズ・ピンバッジ・ピンバッチの完成
ピンバッジデザインで重要な注意点
ピンバッジの製作では、色と色の境界をメッキラインで区切る必要があります。
プレスソフトエナメル、七宝、擬七宝では、デザインに凹凸をつけます。そして、凹んだ部分に塗料を入れて色を表現します。
白黒のデザインでは、以下の点にご注意ください。
・黒色の部分はメッキラインとしてデザインされる箇所です。
この部分が最終的に凸となり、ピンバッジの金属部分になります。
また、ここには色が入りません。
そのため、金色や銀色などのメッキカラーがそのままデザインに反映されます。
・白色の部分は、手作業で塗料が入る場所です。
凹んだ部分には、手作業で塗料を流し込みます。
ただし、細かすぎる部分は製作が困難になる場合があります。また、色と色が滲みやすいデザインも製作が難しくなります。
そのため、塗料を入れる部分には十分な面積を確保することが重要です。
・メッキラインの太さに注意!
メッキラインが0.2mm未満の場合、製作時に断線することがあります。
また、デザインが崩れる場合もあります。
特に細長いデザインや複雑な部分では、線の太さにご注意ください。
さらに、デザインの外周を囲むメッキラインには、最低でも0.4mmの太さが必要です。
これにより、デザインをしっかりと外形で切り抜くことができます。
現物ピンバッジからの制作のご依頼の場合
ピンバッジデザインのメッキライン追加などが、以前の制作先で行われている場合があります。
また、以前の業者様がデザインをご提案されている場合もあります。
その場合、編集著作権が以前の制作先に帰属する可能性がございます。
当社ではピンバッジのデザイン調整に関して、特別な事情がない限り、編集著作権を主張することはございません。
ただし、業者ごとに方針や対応が異なります。
特に、デザイン事務所様などが関与している場合はご注意ください。
最終的な判断は、お客様または関係者のご意見に基づいて進めていただくことになります。
最後に…
ピンバッジデザインは、精巧な職人技によって形作られる美しいアイテムです。
しかし、デザインを忠実に再現するには、製造工程への配慮が必要です。
特に、メッキラインの取り扱いや、凹凸の配置に注意が必要です。
また、色入れの工程も考慮してデザインすることが重要です。もしご不明点やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
有限会社いろは貿易は、皆さまの素敵なデザインを形にするお手伝いを全力でサポートいたします!
以上が、基本的な考え方と注意点です。
具体的なデザインにおいては、当社または製造委託先工場の版下制作者が製作の実務経験や技術的な知識に基づいて微調整を行うことが一般的です。
デザインをご提供いただければ、
当社にてピンバッジにて制作できるデザインに調整を加え、ご案内することは可能です。
デザインの調整が簡単であれば、メッキラインの追加などには費用を頂かずに対応できますが、全体をトレースする必要があったり、複数回のデザイン調整が必要な場合などはトレース代などの費用が発生する可能性もございます。
手書きの白黒デザインと、何色を入れたいかを教えていただければ、ピンバッジの版下作りをお手伝いできると思います。
ピンバッジの色指定と色見本について
手書きの白黒デザイン、何色を入れたいかを教えていただければ、ピンバッジの版下作りをお手伝いできると思います。
色はデザインの印象を大きく左右する重要な要素ですので、お客様のイメージにできる限り近づけるため、色の指定を以下の方法でお願いしております。
色指定の方法
ピンバッジの色を指定される際には、DICカラーガイドのパート1、2 または Pantone solid coated の色見本からお選びください。これらは、印刷やデザイン業界で広く使用されている標準的なカラーガイドですので、正確な色指定が可能です。
具体的な色番号をお伝えいただければ、私たちもその色を基にして製作いたします。例えば、「DIC 101」とか「Pantone 186 C」といったように、ご希望の色番号をお知らせください。これにより、より正確な色を再現することができます。
色指定がない場合
もし、特定の色指定がない場合や色見本をお持ちでない場合でも、ご安心ください!その際は、当社のモニターで確認できる色から、できる限りお客様のデザインに近いと思われる色を選んで製作させていただきます。
ただし、モニター上での色は実際の印刷や製作時の色味と若干異なる場合がございますので、可能であれば事前にカラーガイドからの指定をお願いできると、より理想に近い仕上がりになります。
まとめ
色指定についてのご要望は、どうぞお気軽にご相談ください。お客様のデザインを忠実に再現するため、私たちも全力でサポートさせていただきます!「どの色にしようか迷っている」や「具体的な色番号がわからない」といったお悩みも大歓迎です。皆さまからのご連絡をお待ちしております!
有限会社いろは貿易では、常にお客様のご希望に応じた最適な色の再現に努めています。
デザインはピンバッジの実際の大きさでプリントアウトなどをしてご確認をお願いいたします。
印刷仕様のピンバッジのデザイン・版下は原寸350dpi以上の解像度を推奨しています。
