有限会社いろは貿易

デザインの作り方

デザイン版下の作り方

ピンバッジ デザイン

お客様のピンバッジ(ピンズ、ピンバッチ)のデザインから

こんにちは!ピンバッジ(ピンズ・ピンバッチ)をデザインされる皆さまへ、デザインに関する大切なポイントを詳しくご説明いたします。ピンバッジの制作は繊細なプロセスを経て行われますので、素敵なデザインを具現化するためにはいくつかの重要なルールがあります。ぜひ最後までお読みいただき、デザインの際の参考にしてください!

デザインの基本ルール:メッキラインが大切です!

 

ピンバッジは、通常、カラー部分を凹ませ、その周りを金属部分(メッキライン)で囲んでデザインを作ります。メッキラインは凸部分として浮き上がり、凹んだ部分に色を入れることでピンバッジが完成します。そのため、デザインを作成するときには、カラー部分の周りに必ずメッキライン(つまり金属部分)が必要となります。

ピンバッジ トレース

デザインのトレースについて

当社では、いただいたデザインを基に、ピンバッジ用にトレースを行います。トレースとは、元のデザインの線や形を正確に白黒で描き起こす作業です。この際、以下の点にご注意ください:

 

  • 黒い線(メッキライン)は、ピンバッジの凸部分に相当します。
    凹んだ部分は白色として表現し、その部分に塗料を流し込みます。凹凸を白黒のデザインで表現するイメージです。

  • 黒い線の太さは非常に重要です。
    メッキラインとなる黒い線は、最低でも0.2mm以上の太さが必要です。これにより、ピンバッジの強度が保たれ、製作過程で線が欠けることを防ぎます。また、デザインの外周にある最も外側のメッキライン(外形を切り抜く線)は、最低でも0.4mm以上の太さを確保してください。

  • 細かい部分の色入れは、手作業になります。
    小さすぎるデザインや、細かすぎる部分は手作業で塗料を入れられません。白い部分に流し込まれる塗料は、人間の手作業で行いますので、極めて細かい部分や滲む可能性のある箇所は、設計上避けるようにしましょう。

プレスした材料の断面図

ピンバッジ 色入れ

プレスした時に
黒いところは凸になり
白いところは凹になります。
小さく色入れ出来ないところは、地金で表現します。

ピンバッジ 着色

色の入れ方について

 

凹んだ部分には手作業で塗料を入れますが、その際、黒いメッキラインが境界線となります。このメッキラインは、色と色を分ける大切な役割を果たします。ですから、各色が隣り合う場合も、必ずメッキラインで区切られたデザインにしてください。このメッキラインがあることで、塗料が滲むことなく、クリアで美しい仕上がりになります。

ピンバッジ 完成

ピンズ・ピンバッジ・ピンバッチの完成

重要な注意点

ピンバッジの製作は、色と色の境界をしっかりとメッキラインで区切る必要があります。これは、プレスソフトエナメル、七宝、擬七宝といった技法で制作する際、デザインに凹凸をつけ、凹んだ部分に塗料を入れていくためです。白黒のデザインでは、以下の点にご留意ください:

  • 黒色の部分はメッキラインとしてデザインされる箇所です。
    この部分が最終的に凸となり、ピンバッジの金属部分になります。色が入らないため、金色や銀色などのメッキカラーがデザインに反映されます。

  • 白色の部分は、手作業で塗料が入る場所です。
    凹んだ部分に塗料を流し込みますが、あまりに細かい部分や色と色が滲みやすい設計になっている場合、製作が困難になります。そのため、白色の部分は塗料が滲まず、かつ十分な面積があるデザインが理想です。

  • メッキラインの太さに注意!
    メッキラインが0.2mm未満ですと、製作時に断線したり、デザインが崩れてしまうことがあります。特に細長いデザインや複雑な部分では、線の太さに十分ご注意ください。また、デザイン全体を外周で囲むメッキラインは、最低でも0.4mmの太さが必要です。これにより、デザインがしっかりと外形で切り抜かれます。

  • 現物ピンバッジからの制作のご依頼の場合

    メッキラインの追加などの編集作業が以前の制作先で行われている場合、以前の業者様がデザインをご提案された可能性も考えられますので編集著作権がその制作先に帰属する可能性もございます。

    当社ではピンバッジのデザイン調整に関して、特別な事情がない限り、編集著作権を主張することはございません。

    しかし業者ごと、特にデザイン事務所様などが関与される場合、それぞれの方針やご対応が異なるため、最終的な判断はお客様または関係者のご意見に基づいて進めていただくことになります。

     

最後に…

ピンバッジのデザインは、精巧な職人技によって形作られる美しいアイテムです。しかし、そのデザインが忠実に再現されるためには、メッキラインの取り扱いや、凹凸の配置、色入れの工程を考慮したデザインが不可欠です。もしご不明点やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
有限会社いろは貿易は、皆さまの素敵なデザインを形にするお手伝いを全力でサポートいたします!

以上が、基本的な考え方と注意点です。
具体的なデザインにおいては、当社または製造委託先工場の版下制作者が製作の実務経験や技術的な知識に基づいて微調整を行うことが一般的です。

デザインをご提供いただければ、
当社にてピンバッジにて制作できるデザインに調整を加え、ご案内することは可能です。
デザインの調整が簡単であれば、メッキラインの追加などには費用を頂かずに対応できますが、全体をトレースする必要があったり、複数回のデザイン調整が必要な場合などはトレース代などの費用が発生する可能性もございます。

手書きの白黒デザインと、何色を入れたいかを教えていただければ、ピンバッジの版下作りをお手伝いできると思います。

 

ピンバッジの色見本帳

色はデザインの印象を大きく左右する重要な要素ですので、お客様のイメージにできる限り近づけるため、色の指定を以下の方法でお願いしております。

色指定の方法

ピンバッジの色を指定される際には、DICカラーガイドのパート1、2 または Pantone solid coated の色見本からお選びください。これらは、印刷やデザイン業界で広く使用されている標準的なカラーガイドですので、正確な色指定が可能です。

具体的な色番号をお伝えいただければ、私たちもその色を基にして製作いたします。例えば、「DIC 101」とか「Pantone 186 C」といったように、ご希望の色番号をお知らせください。これにより、より正確な色を再現することができます。

色指定がない場合

もし、特定の色指定がない場合や色見本をお持ちでない場合でも、ご安心ください!その際は、当社のモニターで確認できる色から、できる限りお客様のデザインに近いと思われる色を選んで製作させていただきます。

ただし、モニター上での色は実際の印刷や製作時の色味と若干異なる場合がございますので、可能であれば事前にカラーガイドからの指定をお願いできると、より理想に近い仕上がりになります。

まとめ

色指定についてのご要望は、どうぞお気軽にご相談ください。お客様のデザインを忠実に再現するため、私たちも全力でサポートさせていただきます!「どの色にしようか迷っている」や「具体的な色番号がわからない」といったお悩みも大歓迎です。皆さまからのご連絡をお待ちしております!

有限会社いろは貿易では、常にお客様のご希望に応じた最適な色の再現に努めています。

デザインはピンバッジの実際の大きさでプリントアウトなどをして確認をお勧めします。

印刷仕様のピンバッジのデザイン・版下は原寸350dpi以上の解像度を推奨しています。